スポーツの間違った認識がこどもを不幸にする

フィットネストレーナーの前田です。

 

こどもにトップアスリートになってもらいたいと考える親って結構いると思います。

自分も1児の父親なのでよくわかります。

 

しかし、そういう大人の間違った認識によって子どもを不幸にしてしまうことを知っていますか?

 

 

 

野球やサッカーやバレイや新体操などスポーツはこどもの心身に良い影響を与えることは間違いないと思います。

ただし、一流のスポーツ選手を目指せば健康な人生を送れるわけではありません。

むしろ身体は一流を目指せば目指すほどにスポーツの特性に偏っていきます。

 

スポーツをすることで筋肉の上下左右のバランスの不均等や姿勢の崩れ、重い筋肉がつくことによる関節の負担や過度の柔軟による靭帯の負担など

競技特性によって体は負担を強いられます。

 

プロのアスリートになるところまでいけば体のことをよく知っている一流のトレーナーがつくので正しい関節の使い方や体幹の安定などから全身のアンバランスはある程度整っていくでしょう。

 

問題なのは、

プロになるまでのこどもが成長していく過程のなかのスポーツです。

これに関与してくる指導者は親や学校の先生、元アスリートなどが一般的ですが、

正直、これらの指導者でまともに解剖学や生理学や運動学を理解している人はこれっぽっちもいないでしょう。

身体のことを知らない大人が「スポーツをやればいいことばかりだ」「一流選手のようにトレーニングさせよう」「1番になってほしい」と指導してしまえばこどもたちの身体は悪くなっていく一方です。

 

野球を知っている・バレイを知っている・トレーニングを知っている

人間の身体を知っているのは同じではありません。

 

「自分は高校野球で甲子園に出たから息子にも同じようにトレーニングさせてプロ野球選手にしよう」

「うちの娘は才能があるからたくさん投資してバレイのコンクールで1位にさせよう」

「プロのアスリートになってもらいたいから小さい時からトレーニングさせよう」

 

こんな風に思っているのならまず、

人間の身体を勉強して骨や筋肉や関節を知ってください。

まだ成長しきっていないこどもの身体にどんな負担があるのかを知ってください。

プロになれなかったときや引退した後、大人になった息子、娘に一生残るかもしれない痛みのリスクを知ってください。

 

野球で付けた重たい筋肉は関節の動きを妨げ、関節の負担に繋がります。
バレイで身に付いた姿勢は過度な脊柱の伸展による腰痛やO脚の原因になります。
バレーボールやバスケットボールのような跳躍が必要な競技では過度の膝関節や足関節への負担による靭帯や軟骨の劣化が起こります。
テニスのような片手で行う競技では筋肉の左右のアンバランスが生まれます。
新体操やダンスのような表現を必要とする種目では過度な柔軟による関節の不安定や過可動による痛みや劣化が起こります。

 

これらはほんの一例にすぎません。

 

スポーツにはそれぞれ競技特性があり、小さいときから続けていくと必ず身体の負担やアンバランスが大人になった時に残ってきます。

 

自分のこどもを一流にしたい親はその負担が自分のこどもが大人になった時に治すことのできない痛みや代謝異常、体形の悪さに繋がってしまうことを理解してください。

 

そして、できるだけそうならないように人間の身体を学んでこどもたちの身体へのリスクを減らしてあげてください。

 

親がこどもを指導するときに読む本は「プロ野球選手になるための本」「アスリート向けのトレーニング本」ではありません。

 

人間発達学、運動学、生理学などの医学書です。

 

◇小さいころから野球をやり続け甲子園に行き野球推薦で就職をした50代の男性の筋肉はどれだけ効率の良いストレッチをしても伸びず、重い筋肉はそのままでメタボ対策の有酸素運動も膝が痛くて長時間できない。

◇長年バレイを習い続けた40代女性はO脚の状態で負担を強いられたことで膝の痛みが消えず、跳ぶトレーニングを行いすぎたことで太ももに大きな筋肉がつき、いざ脚を細くしたいと思って食事制限をかけても太ももだけ太いまま。

◇英才教育で新体操を習い続けた20代女性は過度な股関節の可動と膝関節のニーインによって出産後、ひどい腰痛と膝の不安定により立位で息子を抱っこすることも困難に。

 

これらは実際に自分がお会いして指導を行ったことがある方々ですが、同じような人ってたくさんいるのではないですか??

 

NSCAーCSCS(認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)

合同会社MAEDAGM 

CEO 前田博俊

 

 

 

 

 

 

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